個人年金保険 虎の巻

老後の医療費は現役時代とどう変わるのか?

年をとると病気になりやすいって、本当?

老後の生活設計を考える上で避けて通れないのが、医療費です。どうしてかといいますと、現役時代よりも増える可能性があるからです。

たとえば、家賃や税金でしたら、こちらが年をとったからと言って、急に額が上がるということは、まず、ありえません。つまり、現役時代と同じ基準で考えて、何の問題もないわけです。

一方、医療費は、ちょっとちがいます。

医療費は病気等を治療する際にかかるものですから、もしも年をとって病気等にかかりやすくなったとしますと、医療費もその分、増えてしまうのです。

もちろん、高齢者医療制度などもあるのですが、日本の少子高齢化社会にあっては、制度がこの先も同じ状態で維持されるとは限りません。(高齢者医療制度については、あとで触れますね)。

そこで、まず確認しておきたいのが、年をとったら本当に病気にかかりやすくなるのか? ということです。

ここで厚生労働省の統計を見てみましょう。
厚生労働省の統計で、2010年(平成22年)の通院者数を世代別に分類したものがあります。
それによると、世代別の通院者の数は、以下のようになっています。
(以下、千人単位)

総数:46527
0~14歳:3182
15~64歳:23107
65歳以上:20223
(不明:16)

これを、%に直すと、こうなります。
(以下、概算)

0~14歳:7%
15~64歳:50%
65歳以上:43%
(不明分は数が少ないため、割愛)

さて、同じく厚生労働省の平成22年生命表によると、65歳時点での平均余命は、男性が約19年、女性が約24年となっています。15~64歳の50年分の世代で全通院者の50%なのに対し、65歳以上の19年または24年で43%も占めています。

この数字から判断する限り、、高齢になると通院が増えるというのは、まぎれもない事実のようです。

年をとると医療費もかかりやすいのか?

さて、問題なのは、高齢になると医療費自体も増えるのか? ということです。
これに関しては、総務省の家計調査を見てみましょう。

2012年(平成24年)の調査によると、1か月あたりの保健医療費の平均総額は、以下のようになっています。(以下、保健医療費総額/全消費支出)。

30~39歳:8096円/244287円
40~49歳:9937円/291410円
50~59歳:10591円/295285円
65歳以上:12791円/214266円

65歳以上になりますと、消費支出は約3分の2に減る一方で、保健医療費の額は、2~3割、増えていることが分かります。年をとると使えるお金は減っていき、その一方で、保険医療費がそれまで以上にかかるようになる、ということで、全支出の中で医療費が占める割合が大幅に増えるのは、間違いないようです。

高齢者医療制度とは?

老後の医療費の支出に大きく関わってくるのが、高齢者医療制度です。

高齢者医療制度には、65~74歳の方を対象とした前期高齢者医療制度と、75歳以上の方を対象にした後期高齢者医療制度の2つがありますが、医療費に大きく関わってくるのは後期高齢者医療制度の方ですから、ここではそちらについて説明させていただきます。

後期高齢者医療制度の対象となるのは、75歳以上の方と、65~74歳で寝たきり等一定の障害があると認定された方です(ただし、被保険者にならないことも可能です)。

後期高齢者医療制度では、所得によって、現役並み所得者/一般/低所得者の3つに分けられます(低所得者は年収等によって、さらにⅠとⅡに分けられます)。具体的には、以下のようになっています。

手段 窓口負担率
(外来・入院)
自己負担限度額(外来)
(個人ごと)
自己負担限度額(入院・外来)
(世帯ごと)
現役並み所得者 3割 44400円 80100円
+(医療費-267000円)×1%
一般 1割 12000円 44400円
低所得者Ⅱ 1割  8000円 24600円
低所得者Ⅰ 1割  8000円 15000円

(以上は概略です。詳細については、個別にご確認ください)。

このように、現在の後期高齢者医療制度では、個人の自己負担限度額は最大でも44400円となっており、個人負担はある程度の範囲内に収められていることが分かります。

ただし、問題なのは、制度がこのままの状態でこの先も続いていくとは限らないことです。
少子高齢化による影響から、後期高齢者の負担の増加も検討されており、現在働き盛りの方が対象になるころには、制度が大幅に変わっている可能性も否定できません。

つまりは、現在の制度を基準にして将来のことを考えるのは、問題があるということです。
そういった意味でも、個人年金保険等で老後の資金を確保しておくことが重要になってくるのですね。

個人年金保険で積立の心得

  1. 1.返戻率の高いものを選ぶ
  2. 2.受け取り方を見極める
  3. 3.変額か固定か?
  4. 4.支払い方法によって、払い込み金額が変わる
  5. 5.会社の健全性をチェックする